2026.07.06

「祖母を1日だけ家に返したい」から始まった介護人生。リーダーの限界を超えて福祉用具スタッフとして再出発した岸さんの話


稲田「岸さん、今日は初めてじっくり話しますね。よろしくお願いします!」

人事部長の稲田です!

今回のトピックスは、tttの福祉用具事業「ユッカ」のスタッフとして活躍する岸さんとの対談形式でお届けします。

岸さんとは社内ですれ違ったり、業務上のやり取りはあったものの、こうやって腰を据えてじっくり話すのは実は初めて。

介護歴10年以上、施設のリーダー経験を経て、畑違いの福祉用具分野に飛び込んだ岸さん。
その背景にある想いや、tttでの変化、そして将来の夢まで聞いてみたら、
めちゃくちゃ面白い話が出てきました!


介護の原点。「祖母を1日でも自宅に返したい」という想い

稲田:「岸さん、そもそも介護の仕事を始めたきっかけって何だったんですか?」

:「もともと祖母がずっと入院していて。1日でもいいから自宅に返してあげたいよねって家族で話してたんです。そのために介護技術を学ぼうかなっていうのがきっかけですね。」

稲田:「それきっかけだったんですね…。ご家族への想いからスタートした介護人生だったんだ。」

:「はい、いろんなことが重なってではあるんですけど、"1日だけでも返すために"っていう気持ちが原点ですね。」

大学のアーチェリー部で障がい者と接した経験が道を拓いた

稲田:「大学時代はアーチェリーをやってたんですよね?」

:「そうなんです。大学でアーチェリーをやっていたので、障がい者の方と接する機会がすごく多くて。そこで福祉の道に行くか、介護の道に行くか、どちらにするか考えていました。」

岸「福祉か介護か迷って、先にお声がかかったのが介護だった」

:「両方に相談していて、先にお声がかかったのが介護の方だったので、"じゃあ介護で頑張ろう"と。」

稲田:「なるほど。でもそれで10年以上続けてこられたわけじゃないですか。やっぱり向いてたんでしょうね。もともとのお祖母様への想いが根っこにあって、障がい者の方と接した大学での経験があって。全部つながってますよね。」


片江館オープン間もなく入社。無資格からのスタート

稲田:「tttに入ったのは片江館のオープンのタイミングでしたよね?」

:「はい。もともと転職するきっかけが、子どもの小学校入学に合わせて環境を整えようかなっていう話になって。当時は油山館の近くに住んでたんですけど、小学校まで歩いて30分くらいかかる距離だったんですよ。」

稲田「引っ越し先が片江館の目の前って、もはや運命ですね」

:「油山館ができた時もなんとなく見てて、"何ができるのかな"って。ホームページ調べてみたら、日勤だけで夜勤してた時の金額よりもらえるじゃんって(笑)。それが心に残ってて。じゃあ引っ越そうかなってなった時に、引っ越し先が片江館の目の前だったんです。」

稲田:「もはや運命ですね(笑)。引っ越し先が目の前って。」

:「これも何かの縁かなという感じで。日勤だけだし、ということで入らせてもらいました。それまで10年くらい病院系の系列で働いていたんですけど、その時は資格を持ってなかったので本当に無資格で入らせてもらって。」

岸「前職ではリーダーになんて絶対なりたくなかった」

稲田:「前職ではリーダーとかは?」

:「前職では絶対にリーダーとか上の立場にはなりたくないなって思ってました。」

稲田:「へぇ!それは意外。なんでですか?」

:「なんとなく前職のリーダーのイメージって、"役割を押し付けられてる"っていうか…。そういう雰囲気があったので、やりたくないなって思ってましたね。」


tttで考え方が変わった。「評価される」という初めての経験

稲田:「でもtttに来て考え方が変わったんですよね。どこで変わったんですか?」

:「やっぱり、ちゃんとやったことを評価してもらえるっていうところですかね。しっかり評価していただけるので、"だったらちょっと頑張る目もできるかな"って。前職ではそういう経験がなかったので。」

稲田:「評価されるっていう経験自体が初めてだった?」

:「そうですね。頑張っても頑張らなくても同じ、みたいな環境だったので。tttに来て、"やったことがちゃんと見てもらえる"っていうのは、自分の中で大きな変化でした。」

リーダーに志願し、1人体制で半年間走り続けた日々

稲田:「そこからリーダーになったんですよね。しかも自分から志願したと聞いて驚いたんですけど。」

:「はい(笑)。自分から志願したところもちょっとあって。3月からリーダーを拝命して、約1年間やらせてもらったんですけど…その半分、半年間はリーダーが僕1人だったんですよ。」

稲田:「え、1人体制で半年間?」

:「施設がちょっとバタついてた時期もあって。やっぱりどうしても体力的にも精神的にもしんどくなって。」


「退職・異動・転職」——限界を迎えた時に出した3つの選択肢

:「自分から本部の方に相談させてもらって。"他の施設に異動するか、本部で働かせていただくか、退職か。この3つで考えています"とお伝えしました。」

稲田:「3つの選択肢を出したんですね。」

転職活動をして内定ももらった。それでもtttを選んだ理由

:「実際に転職活動もして、内定ももらいました。内定先にも"社内で話が進んでいるので、お断りするかもしれません"ときちんとお伝えした上で動いてました。」

稲田:「そこまでいって、なぜtttに残る方を選んだんですか?」

:「天秤にかけた時に…もともと福祉用具は興味があった分野だったんです。同じ組織の中でやれることはやりたいなという気持ちがあって。ちょうどユッカの立ち上げのタイミングでもあったので、本部の方から"ユッカはどうですか?"とお声がけいただいて。もともと自分の中でも"体力的にしんどくなったら福祉用具もいいな"って思ってたので、"ぜひやらせてください"と。」

稲田「手を上げたのがターニングポイントでしたね」

稲田:「自分から3つの選択肢を出して、転職活動もして内定ももらって、それでもtttの中で新しい挑戦を選んだ。手を上げたのがターニングポイントでしたね。すごいな。」

:「何かしらの形で介護には関わっておきたいという気持ちがずっとあったので。」

稲田:「岸さんって人と関わるとか、コミュニケーションを取りながら進めていくのがめっちゃ得意というか好きそうですよね。その強みが福祉用具でも活きてるんじゃないですか。」


福祉用具スタッフとしての3ヶ月。初めての分野で感じた面白さ

稲田:「4月から福祉用具のスタッフとして動き始めて、3ヶ月経ったわけですけど。最初はどうでした?」

:「やっぱり現場に比べたら、現場ってなんとなく"こういうところでつまずくな"って想像ができたんですけど、今回は初めての分野なので"どこでつまずくんだろう"っていうワクワクももちろんあったし、いろんなところで悩むのかなっていうのもありました。」

稲田:「予想がつかなかったっていうのは、実際やってみて本当にそうでした?予想外のトラブルとかもありました?」

:「ありましたね。現場目線で"この福祉用具がいい"って言っていても、実際の対策を考えると"どうなのかな"って思ったりとか。現場目線と利用者さんにとってのベスト、さらに単位数の兼ね合いとか…いろんな要素が絡んでくるんです。」

「この人にはこれが合うんじゃないか」——提案できるようになってきた手応え

:「だんだん業務を自分の中ですり合わせながら"こうした方がいいな"って形で、上長の承認をもらいながら動いていますね。結構量を入れている2号館とか福津とかだと、"この人にはこれが合うんじゃないか"っていう提案が来たり、ある程度の体格とかを聞いて自分の中で"これがいいんじゃないですか"みたいな案が出てくるようになってきました。」

稲田:「3ヶ月でそこまで。目つきというか、仕事の雰囲気を見てるとだいぶ慣れてきてそうですけどね。」

:「ありがとうございます(笑)。本人さんにとってベストなものを選ぶのはもちろんなんですけど、現場目線で"こういう機能があったらいいよね"っていう提案もできるようになってきて。今まで現場で働いてて1対1だったのが、本人さんもご家族もケアマネージャーさんも関わるし、いろんなところに飛び回る。僕は施設の中しか知らなかったので、この経験はすごく新鮮ですね。」

スピード感を武器に。「受けたらその場で発注、その日のうちに連絡」

稲田:「岸さんの仕事のスタイルでこだわってるところってあります?」

:「この3ヶ月、"スピード感"というのを自分の中で意識してやってきました。褥瘡ができる前とか、できる直前とか、情報共有を受けたら"じゃあすぐエアマットを準備しますね"と。基本的に案件を受けたらその場で発注をかけて、その日のうちに"いつ納品できます"っていう連絡までするようにしています。」

稲田:「すごっ。その日のうちに納品日まで連絡するんですか。」

:「はい。施設の方からも"スピード感があって助かります"って言ってもらえるのはめちゃくちゃ嬉しいですね。結局、納品が遅れるとどんどん開始も遅れてしまうし、合わないものをデモで使い続けるのもよくないので。」


「言葉の先の杖」——転ぶ前に手助けする福祉用具の醍醐味

稲田:「福祉用具スタッフの仕事の面白さとか魅力って、岸さんの経験に基づいて語ると、どんなところですか?」

:「直接的に排泄介助をしたりおむつ交換に入ったりとかではないんですけど…歩行器だったら日常生活で杖になるようなものだし。"言葉の先の杖"っていう言い方があるように、何か起きる前に福祉用具を通じて手助けができたらいいなって。」

稲田:「"言葉の先の杖"…。転ぶ前に手を差し伸べる、みたいな。」

:「そうですね。直接ケアに入るわけではないけど、適切な福祉用具を素早く届けることで、利用者さんの生活を根っこから支えられる。それが福祉用具ならではの醍醐味かなと思います。」


将来の夢は「小さなデイサービス×託児所」の併設施設

稲田:「岸さん、将来の目標とかってあるんですか?」

:「今、結婚して子どももいるんですけど、嫁と将来的な話で面白いねって言ってるのが…小さなデイサービスを作って、その隣に託児所を併設するっていう。」

稲田:「おお!」

:「職員さんも隣に子どもを預けられるし、利用者さんと子どもたちが交流できるし。将来的に自分がリタイアした後くらいに、細々とやれたらいいなって。1日10人にも満たないくらいかもしれないですけど、"そういうのできたら面白いね"って話してます。」

稲田「めちゃくちゃいい。なんかジブリっぽい世界観ですね」

稲田:「めちゃくちゃいいじゃないですか! なんかジブリっぽい世界観ですね。ポニョかなんかの雰囲気に似てる(笑)。利用者さんの横で子どもたちが走り回ってて、職員さんも安心して預けられて。」

:「そうなんです。職員さんも安心して預けられるし、利用者さんのご家族も安心だし。本当に細々とでいいんですけど、そういうのをやれたら幸せだなって。」

稲田:「やっぱりいいな、介護って。こういう夢が語れる業界っていいですよね。」


「施設の中だけで完結させない」——ユッカと岸さんのこれから

稲田:「岸さんが携わっているユッカを、今後どうしていきたいですか?」

:「今は自分のところ、tttの施設の中でしかやっていないので。今後はレンタル・販売に向けて準備も進めていますし、もうちょっと先になるかもしれませんけど、外部の方に向けても手広くやれたらいいなと思っています。」

稲田:「おお。」

:「やっぱりどうしても施設の中だけで完結ってなると、頭打ちが来るので。販売と一緒に外の方も向けてやっていけたらなと。」

稲田:「外部連携も含めて動いていけるような組織だったらめちゃくちゃいいですよね。福祉用具にとどまらず、将来の目標に近づけるための経験として今の仕事を捉えているっていうのがすごくいい。施設のリーダー経験があって、いろんな施設を回る中で蓄えた知識が、ゆくゆく施設長を目指す時にも活きてくる。全部つながってるんですね。」

どんな人が福祉用具スタッフに向いている?岸さんの答え

稲田:「最後に、どんな人が福祉用具スタッフに向いてると思いますか?」

:「難しいなぁ…(笑)。やっぱり"考えて行動できる人"ですかね。あと優先順位を決めて臨機応変にできるような人。案件を受ける中でも、2つ3つ同時に電話がかかってくることもあるんですよ。入居の日付とか納品の日付とかもある中で、"この人は一番先に発注をかけておかないとダメだな""こっちは直送でいけるから教授配送をお願いしよう"とか。自分の中で順序を組み立てて、パズルみたいに進めていく。」

稲田:「いろんなことが並行で走っている状態で、どこからどう手をつけていくかを自分の頭の中で考えていける人だったら輝けるってことですね。」

:「そうですね。まさにそういう感じです。」


稲田:「岸さんと初めてこうやってじっくり話しましたけど、いいですね。
お祖母様を1日でも家に返したいという原点から始まって、10年以上の介護キャリアを経て、リーダーとして限界まで走り切って、それでも介護の世界から離れずに福祉用具という新しいフィールドに飛び込んだ。
"何かしらの形で介護には関わっておきたい"という言葉の重みが、3ヶ月間のスピード感ある仕事ぶりにも、将来のデイサービス×託児所の夢にも、全部つながっている。

ユッカと岸さんのこれから、楽しみにしてます!」

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