2022.10.04
経営
副社長の僕は昔、成功に縛られていた。~戦略的に失敗を許容する~
副社長の大場です。
「僕は昔、成功に縛られていました。」
なぜこんな話をするかというと、「こんな考えがあるのか」と発信したい。「これで楽になる人がいたらいいな」というただのエゴです。自己満です。自分のことを知って貰いたいという承認欲求も混じってるかもしれません。
さて、これを読む人は仕事をしている方が多いでしょう。ビジネスは特性上、「成功」を求め続けられます。成功が続かなければ、喜んで頂けている顧客へのサービスも生活の基盤となる従業員にとっての働く場も持続できません。また、企業も次のステップに進めず、競争に勝てません。
なので、私は三方良しを常に意識しながら、ただ会社の立場上、自分にも社員にも仕事の成功を求めます。ただ、下記の経験から、心の奥底では成功と幸福は重なり合いが複雑で、成功=幸福でないことも知っています。
「僕は昔、成功に縛られていた。」
縛られていた結果、どうなったか?僕は24歳大学院生のGW明けで倒れました。半年で過労・鬱、それに伴う頭痛・不眠症を経験し、地獄のようでした。(研究室時代。当時の僕にとって、GWや週末、お盆・年末年始は休みでなく、研究の遅れを徹夜で取り返せるチャンスタイムでした。また、40度の高熱が出ようが、成果のためなら大学に行き、研究を優先していたほどです。今考えれば不器用で非効率ですね。笑)。
今は僕にとって笑い話ですし、むしろこの経験があるからこそ今があるので、本気で感謝してます。ただ「当時なんでそうだったの?」って言われると、一言。「成功に縛られていた」から。
なぜ成功に縛られたのか。
理由は明確です。
「それまでに成功を積み過ぎたから。」
「成功をしてたならいいじゃん」、「なんて贅沢な悩みだ」と思うかもしれません。それはまあそうです。良かったです。運もありました。部活も受験も他者の4倍努力しました。学生は勉強、部活、恋愛なんて言いますが、僕は恋愛全捨てです。
そこまでして、勝ち取った部活成績、難関大進学。その過程に小さな失敗も多くあったはずだろうが、記憶に残るのは美化された大きな成功のみになりがちです。それが、知らぬうちに「自分は全て成功し続けないと。失敗は許されない。」となって、失敗を恐れ、身体の限界を超えすぎることをやってました。
一度、全てを捨てる決断をしてわかったこと
僕は鬱から立ち直った後も、研究者を続ける自信も興味もなく、大手化学メーカーの内定を断り、大学院も中退しました。これはほんとに怖かったです。これまでの努力の全てを失うような感覚なので。しかも、今後どうなるのかも全く見えていない。
ただ、諦めたわけではなく、将来への緊張感の中、まっさらな所から再スタートできたことがほんとに良かった。そこからでも、やり直すことができるんだって身体で覚えることができたから。今はほんと気楽です。そのおかげで今があるのだから。仮に全てを失っても、またなんとでもなるのだから。
結局、失敗を許容すると物事の成功も幸せな感覚も両立できるのだから、こんなに美味しいものはありません。
結論「成功するために、失敗を受け入れよう。自分のも、他者のも。」
生きていく以上、成功は目指さざるを得ない。現代を生きるうえで有利をもたらすのは事実です。不利を望む人は稀です。だから目指してしまいます。
ただ、見出しの通り。成功を狙うためにこそ、成功から逆算した過程の中に失敗をわざと計算に入れておくのが、実は合理的じゃないかという話です。自分がプレーヤーなら自分と仲間の失敗を、マネージャーなら自分と仲間と部下の失敗すら戦略の中に入れておきましょう。一見矛盾していて、意味不明ですよね?
ただ、あなたの今の仕事レベルは、失敗無しで到達できたものですか?他者は失敗無しに到達すべきなのですか?僕は違います。前述のとおり、失敗のおかげです。だからこそ、僕は、僕も皆も失敗が混じりながら成功に繋げればいいという心の余裕があります。
なんで失敗って必要なのか。
シンプルに言えば、「このままではだめ。」と本能レベルで気づくため。変化することの必要性を体にわからせるためです。
賢い人なら、うまくいっている間、問題が無い間でさえ、「○○はこのままではだめ。」って頭でわかっている状態があると思います。だけど、頭でわかっている状態は本気ではやれない。継続できない。筋トレ、ダイエット、英会話、資格勉強で思い当たりません?僕なんか、まさしくこれです。
結局、頭でわかってる状態って無意味だと思います。行動しないから。むしろマイナスかもしれません。やっていない自分へのフラストレーションが溜まるだけだから。
でも、失敗の後はチャンスです。変化や知識の必要性をガンガンに感じているから。ここが狙い目です。
当社で実践している「育成のミルフィーユ戦略」
僕は自分の育成方法を「ミルフィーユ戦略」ってそれっぽく呼んでいます。何か月もの詰め込み研修のあとに、ようやく実戦させるってよくある企業研修ですが、これだと各層ぶ厚すぎます。ミルフィーユも各層を別で食べたら、飽きません?詰め込みは研修側の運営効率は良いのでしょうが、受けて側の教育効率を疑います。
一番習得が早いのって、ちょっと学んだら、すぐ実戦させ、失敗させ、必要性を感じさせ、知識を渡す。これをリスクの取れる範囲で繰り返し、成功させるが勉強でも、スポーツでも、仕事でも共通して効率的なレベルアップじゃないですか。あと、まあこの方が、受けて側も飽きずに面白いじゃん。
※例えば、資格勉強。最短で受かるのに最初に開くべきは、教科書・参考書じゃなく、問題集。専門知識ゼロ状態でも、持ちうる知識で無理くり考え、解こうとしてみる。でも解けない、答えに自信が無い。すると、知識が欲しくなりません?これが必要性を身体で覚えている状態。そのときに、参考書の該当部分を読む。そして、好奇心の限り、その周辺も読むが、飽きたら無理せず問題集に戻る。これを繰り返す。すると、既存知識に新たな知識が紐づき、楽に解けるようになる。勉強、仕事、スポーツのどれでも、何かを習得・上達するときはこれが一番早い気がします。(前職時代、推奨勉強時間150~300時間・合格率約50%のFP2級を取らされましたが、僕の勉強は直前の丸2日間で計24時間ぐらい。落ちたら死ぬほど怒られるやつだったから、本番めちゃくちゃ怖かったです。笑)
最後に
こんな感じで、成功のためにこそ、成功に縛られずに失敗を許容しろ。それが幸せにも繋がっているというお話でした。
最後に「皆さん、記憶は美化されます。だからこそ、話すときは失敗の話もしましょう。聞くときは成功談に騙されないようにしましょう。成功者って何でも言ったもんがちなので。」
副社長 大場真之介
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