2025.08.17
組織
JAXAの面接を5分で落とされた僕が、NASAで講演するまでになった話
MOO(最高執行責任者) 船木勇佑
JAXAの面接をたった5分で落とされた僕が
NASAで講演するまでになった話
こんにちは!株式会社tttで
MOO(Management & Operation Officer)を務めている船木です。
普段は第三者の視点から、忖度なくロジカルに組織の課題を抽出し、
経営陣が描く事業計画の実現に向けて、
現場の皆さんと伴走しながら事業を推進しています。
こう話すと、いかにもロジカルで戦略的なキャリアを歩んできたように聞こえるかもしれません。
しかし、私のこれまでの道のりは、どちらかと言えば泥臭く、
壮大な夢と大きな挫折、そして全く予期せぬ転機に満ちたものでした。
今回は、tttという会社が持つ可能性を、
私の少し変わった人生ストーリーを通してお伝えできればと思います。
面接でお会いする前に、少しでも私の人となりやtttの面白さが伝われば幸いです。
夢の始まりと、拭えなかった「陰キャ」の自分
僕の原点は、中学3年生の時に観た映画『アポロ13号』です 。
絶望的な状況下で、最後まで諦めない乗組員と地上エンジニアの姿に心を撃ち抜かれ、
その日から「NASAのエンジニアになる」ことが僕の夢になりました 。
その夢を叶えるため、ひたすら勉強に打ち込み、1年の浪人生活を経て東京工業大学への入学を果たします 。
夢に一歩近づき、華やかなキャンパスライフが待っている…と期待に胸を膨らませていました 。
しかし、現実は甘くありませんでした。
周囲の華やかな学生たちに気後れし、外見にも無頓着だった当時の僕は、何をしても空回り 。
アルバイト先では「暗い、何を考えているかわからない」と言われ 、
自分をうまく表現できない焦りから、お菓子作りを習ったり、声優に挑戦したりと、迷走を繰り返していました 。
夢に近づいているはずなのに、心は満たされない 。
そんな乖離した日々の中で、僕は必死にもがいていました。
そんな中、僕の心を奪ったのが、
テレビで偶然目にした世界最高のエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」のパフォーマンスでした 。
言葉を使わず、身体だけで感情を伝える表現に衝撃を受け、「こんな表現をしてみたい」と強く惹きつけられました 。
そして、公演のカーテンコール。
日本人パフォーマーの田口師永さんに花束を渡す機会を得た僕は、
考えていた言葉がすべて吹き飛び、気づけばこう叫んでいました 。
「僕も“なわとび”をやります!!」
自分でも全く予期していなかったこの一言が、僕の人生を全く違う方向へ動かすことになります 。
5分で砕かれた夢と、衝動的な一言
迷走しながらも宇宙開発事業に関わるという夢の実現に向けた取組は1つの実を結び、
大学院では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との連携講座に合格し、宇宙ロボットのプロジェクトに参加。
ついに夢が現実味を帯びてきたのです。
しかし、その夢はあまりにもあっけなく終わりを告げます。
JAXAの入社面接。開始からわずか5分で、面接官にこう告げられました。
「JAXAが求めているのは、『これまで誰もできなかったこと』を成し遂げるような人だ。君からはその可能性が感じられない」
中学生からの夢が、たった5分で、一言で、全否定されたのです 。計り知れないショックと挫折感でした 。
「JAXA面接5分で不合格」から10年、NASAからの逆オファー事件
宇宙への夢を絶たれた僕は、タイヤメーカーに就職 。
しかし、依然として、自分のことをうまく表現できない、という悩みに付きまとわれていました。
課題を解決するべく、シルク・ドゥ・ソレイユがきっかけに始めたなわとびのパフォーマンス、
「ただなわとびを趣味レベルでやってては表現できない、誰にも伝わらない」
と思い、大道芸のなわとびパフォーマーとしての活動を始めます 。
ここでも僕のやり方は、
エンジニアそのものでした。自分の動きを分析し、仮説を立て、パフォーマンスを改善していく 。
最初は「精彩がない」と審査に落ち、失恋や疲労骨折も重なるなど、どん底も味わいました 。
しかし、やぶれかぶれで自分の感情をすべてぶつけたパフォーマンスが思わぬ喝采を浴びたことをきっかけに、
自分の”形”を掴みます 。
地道な活動が実を結び、僕はシルク・ドゥ・ソレイユから異例のオファーを受け、
オーディション免除で正式なアーティストになりました 。
オーディション免除での正式契約は、当時、年に数名ほどで、
オリンピックの金メダリスト、サーカス界で著名な賞を受賞しているようなスターのみ。
エンジニア出身の僕がオーディション免除というのは異例中の異例でした。
「エンジニア出身のアーティストは、シルク・ドゥ・ソレイユの30年の歴史であなたが初めてです」
と言われた時、JAXAの面接官に言われた言葉に縛られ、
自己否定していた自分からようやく解放されたと感じました。
アメリカ・オーランドでの公演が続いていた2014年 。
僕のその異色の経歴が注目され、現地の雑誌『ベスト・オブ・オーランド』で特集記事が組まれました 。
その記事が掲載されて1ヶ月ほど経ったある日、一本の電話がかかってきました 。
相手はなんと、NASAのケネディ宇宙センターのスタッフでした 。
「『ベスト・オブ・オーランド』の記事を読みました。
ぜひ、NASAのエンジニアたちの前で、あなたのキャリアについて講演していただけませんか?」
耳を疑いました 。
かつて「可能性を感じない」と夢への扉を閉ざされた僕が、「誰もできそうにないことをやった人」として、
憧れの聖地であるケネディ宇宙センターに、講演者として招かれたのです。
この講演は2015年から2019年まで行われました。
JAXAの面接から10年。
砕け散ったはずの夢が、まったく想像もつかない、思いがけない形で叶ったんです。
夢が破れた「課題」に感謝する。その先に、まだ見ぬ可能性は眠っている
NASAでの講演というギフトは、僕に大切なことを教えてくれました。
一つの夢が破れたとしても、その経験の中でもがき、考え、行動し続けたことは決して無駄にはなりません。
このメッセージは、
まさに株式会社tttの企業理念である「課題に感謝する」を体現するものです。
僕にとって夢の挫折は、人生最大の「課題」でした。
しかし、その課題から逃げずに向き合い、挑戦し、試行錯誤と行動変化を繰り返した先に、全く新しい道が開けたのです。
株式会社tttのMOOとして、この「課題を成長の糧に変える」という価値観を、
より深く社内に浸透させていきたいと思っています。
僕がNASAに繋がったのは、エンジニアの道を突き詰めたからではありません。
エンジニアからアーティストへという、誰も選ばない道へ踏み出した先に、
想像もしていなかったNASAとの接点が待っていました。
これこそが、僕が「今の自分を超えたい」「まだ見ぬ可能性に挑戦したい」
と願うあなたの背中を押せる、何よりの説得材料だと考えています。
tttは、あなたのユニークな挑戦や、一見遠回りに見える試行錯誤を面白がり、
価値として受け入れる会社です。過去のキャリアや専門分野は問いません。
「打席だけはいくらでもある」環境で、あなただけの「誰もやらないこと」を、ここで見つけ、成し遂げてほしい。
あなたもtttで、想像もしなかった未来への扉を開けることになるかもしれません。
面接でお会いできることを、心から楽しみにしています。

業務に関するお問い合わせや採用情報など
お気軽にお問い合わせください。