2026.10.23

組織

最期の1秒まで諦めない 「あなたらしさ」

── 介護の「できない理由」を突破する『夢活・イキ活』ストーリー

こんにちは。株式会社ttt代表の内田啓太です。

ここ最近、組織の課題や採用、経営体制の刷新といった発信を続けてきました。
全国から熱い反響をいただき感謝が尽きない一方で、私の中には

 

「いま一度、私たちの原点である『サービスの思想』を、自分の言葉でしっかりと伝えたい」

 


という強い想いがあったので、ここに記します。

 

制度や組織、経営の仕組みをどれだけ整えても、僕たちが現場で提供する
「介護・医療の質」や、利用者様の人生に対する「本気度」が伴っていなければ、何の意味もありません。

 

どれだけ会社が大きくなろうと、僕たちのすべての原点は「現場」にあります。

 

今日は、僕たちが展開する有料老人ホーム「たいよう」「オリーブ」、
そして訪問看護「ペリキュール」で大切に育てている象徴的な取り組みと思想についてお話しさせてください。

 

 

「もっとできたんじゃないか」── 誰にも言えず飲み込んできた現場の悔しさ

 

介護や医療の現場で働くということは、誰かの“最期”に立ち会うということです。
それは他のどんな仕事よりも、人の人生の「終わり」に触れる機会が多いということでもあります。

だからこそ、利用者様を見送ったあと、スタッフたちの胸には時折、言葉にしづらい感情が残ります。

 

「もっとできたんじゃないか」

「もっとこうしてあげたらよかった」

「本当にあの方は、ここで満足してくださっていたんだろうか」

 

その想いは、一言で言えば「悔しさ」です。

けれど、日々の忙しさに流される中で、その感情を吐き出せる場所はありません。時間が経つほどに曖昧になり、誰にも気づかれないまま飲み込まれていく。

ある時、僕は気づきました。

この悔しさを、自分たちの手でちゃんと消化できる方法はないだろうか。 誰かに言われるのではなく、「自分たちはやり切った」と胸を張れる状態をつくれないだろうか。

それが、「夢活」というプロジェクトの始まりでした。

 

「やればいいじゃん。行けばいいじゃん。」

「夢活」は、利用者様一人ひとりの「やりたいこと」をチームで叶える取り組みです。

“夢”といっても、大げさなものばかりではありません。

 

  • 「昔通っていた美容室に、もう一度行ってみたい」
  • 「冬になると毎朝ストーブの上でお餅を焼いていた。あれが好きだった」
  • 「娘と一緒に、近くの神社にもう一度だけ行きたい]

 

そんな“ささやかな願い”を誰かが拾い上げ、チームで動いて叶えていく。

現場は日々、たくさんの「できない理由」に囲まれています。ルール、安全性、人員配置、リスク管理、時間……挙げればキリがありません。

だけど僕たちは、一度立ち止まってこう考えるようにしました。

 

「やればいいじゃん。行けばいいじゃん。」

 

リスクを理由に諦めるのではなく、「どうすれば安全に実現できるか」に本気で知恵を絞る。

夢活は利用者様のための取り組みですが、実はそれ以上に「僕たち自身のためのもの」でもあります。

 

その方が旅立ったあとに、「悔いはない。ここまで一緒に走れた」とスタッフ一人ひとりが思えるように。「うちのチーム、すごくない?」と誇らしく言い合えるように。

人の最期に寄り添うからこそ、人生の“やり残し”をひとつでも多く無くしたい。
夢活は、僕たちが現場で育てていく「誇りの文化」なのです。

 

動画:https://youtu.be/PP9IkeNkU9w?si=2m-wlGdrbVpj-iG0

 

 

「与える介護」から、その人の力を「引き出す介護」へ

 

「夢活」を通じて、僕たちは利用者様の眩しい笑顔と、チームの中に生まれる確固たる自信と誇りを知りました。

けれど、特別なイベントが成功したあとに、ふと考えるようになったのです。

人の人生のほとんどは、イベントではない「365日の何気ない日常」でできているのではないか、と。

 

イベントのない普段のフロアを見渡してみると、そこには、ただじっと「何か」を待っている利用者様の姿がありました。一日の大半の時間を、ただ安全な場所で過ごしている。

 

ご飯を運び、着替えをお手伝いし、安全を守る。何事もなく一日を終えること
――それは一見、丁寧で優しい介護に見えるかもしれません。

 

けれど、何でも手を差し伸べることが、本当にその人のためになっているのだろうか。
「至れり尽くせり」のお世話が、かえってその方の持っている力や「自分らしさ」を奪ってしまっているのではないか。

 

僕たちの事業理念には、「すべての人にやさしく・らしく・輝く」という言葉があります。

 

僕たちが目指す本当のやさしさとは、ただ手厚く手助けをすることではありません。その人固有の人生や「あなたらしさ」を、決して諦めさせないことです。

だからこそ、僕は決意しました。 手厚くお世話をする「与える介護」から、その人の力や想いを「引き出す介護」へ変えよう、と。

 

 

「お世話される人」から「役割」と「出番」を持つ一人の人間へ

 

  • 食事の準備を、スタッフと一緒にしてもらう。
  • 新しく入居された方に「おはよう」とやさしく声をかけていただく。
  • 長年培った裁縫のコツや料理の知恵を、若いスタッフに教えていただく。

 

「私は、ここで誰かの役に立っている」

その実感が宿ったとき、人はもう一度ご自身の足で立ち、心の奥から輝き始めます。

 

当たり前に続く毎日の暮らしの中に、役割と存在意義を取り戻していく。「イキイキと、活きる」――これが、僕たちの目指す『イキ活』です。

(心の声:『お世話されるだけの哀れな対象』として扱うのをやめる。日常の中にたった一つでも『出番』ができた瞬間、お年寄りの瞳に宿る光が変わるんです。)

 

 

もちろん、簡単な道ではありません。思い通りにいかない葛藤や関わりの難しさに突き当たり、試行錯誤の連続です。

 

けれど、僕たちには「ttt(Thanks to Trouble:課題に感謝する)」という社名に込めたスピリットがあります。
目の前の壁は障害ではなく、その人の隠れた想いや可能性に一歩近づくための大切な機会です。

 

ここで働くスタッフは、マニュアル通りの作業をこなすだけの「作業員」ではありません。
一人ひとりの強みを見抜き、日常の中に輝く機会を設計する「ケアデザイナー」なのです。

 

「最期に、もう一度だけビールを」── 訪問看護『ペリキュール』が紡ぐ、人生最期のフィルム

この「あなたらしさの追求」という思想は、施設の中だけにとどまりません。

重度の医療的ケアや最期の看取りまで、ご自宅や地域で自分らしく過ごしていただくために立ち上げたのが、看取り特化型の訪問看護『ペリキュール』です。

 

「ペリキュール(péllicule)」とは、フランス語で2つの意味を持っています。

ひとつは「薄い皮膚」。もうひとつは、映画や写真の「フィルム」です。

 

普段は誰も気に留めないけれど、傷ついた時に初めて痛みを感じる皮膚のように、
僕たちは「見落とされがちな小さな変化や、ご本人の隠れた本音」に誰よりも敏感に気づく存在でありたい。

そして、人の人生を「自分らしく生きる一本の映画(フィルム)」と捉え、その物語の最期まで寄り添い、サポートすることが僕たちのミッションです。

 

ペリキュールで起きた、忘れられない一つのストーリーがあります。

 

70代の男性、山口さん(仮名)。進行性核上性麻痺に肺炎が重なり、いよいよ最期の時が近づいていました。
病気が進行し、口から食べ物を飲み込むことすら難しくなっていた頃、ずっと傍で付き添っていた息子さんが、ポロリとこう呟いたのです。

 

「お父さんに……もう一回だけ、本物のビールを飲ませてあげたいな。最期の乾杯を、一緒にしたくて」

 

誤嚥のリスク、肺炎が悪化する恐怖。医療のプロとして「そんな危険なことはできない」
と断る方が、はるかに簡単で安全です。担当したスタッフも「正直、本当に怖かった」と振り返ります。

 

ですが、僕たちが大切にしているのは「死ぬことよりもつらい、自分らしさを奪われた時間」を無くすことです。

 

訪問看護を始めてまだ1年目の看護師を中心としたチームが立ち上がりました。
誤嚥リスクを最小限にする方法を主治医やケアマネジャー、ご家族と何度も話し合い、安全な体勢と万全の準備を整えて、ついに「乾杯の日」を迎えました。

 

家族みんなが集まった部屋で、「山口さん、今日はビールの日ですよ!」
と声をかけると、普段はほとんど反応のなかった山口さんが、小さく呟きました。

 

「……ビール?……ビールか……」

少し笑ったような表情を見せると、普段は手も動かせないはずの山口さんが、
震える手でゆっくりとグラスを持ち上げ、ほんのひと口、ビールを口に運んだのです。

 

――その瞬間、山口さんは歯が見えるほどの満面の笑顔を浮かべました。

 

ご家族が涙ぐみながら「これが最期の乾杯だね」と笑い合い、
思い出話に花を咲かせる温かい時間。 翌日、山口さんは静かに息を引き取られました。

 

お通夜の席で、息子さんは涙を浮かべて僕たちに言ってくれました。
「おかげで、最期に“お父さんらしい時間”が過ごせました。本当に、感謝しています」

 

この奇跡を起こせたのは、ベテランの技術があったからではありません。
「やりたい」というご家族の小さな声を見逃さず、リスクから逃げずにチームで立ち向かったからです。

 

これこそが、他社にはないペリキュールの存在意義であり、僕たちが目指す看取りの姿です。

 

 

 

「tttで働くこと自体が誇りだ」と言える未来へ

 

利用者様、ご家族、現場で汗を流すスタッフ、そして組織を支えるすべての仲間。 関わる誰もが自分らしさを取り戻し、共に輝いていく。

この大きな循環こそが、僕たちの事業理念である
「すべての人にやさしく・らしく・輝く」の本当の姿です。

 

この理念が現場や組織全体で体現されたとき、僕たちの施設や訪問看護は単なる
「介護・医療の場」を超え、地域や社会から深く愛される最高の居場所になると信じています。

 

どれだけ会社が大きくなっても、売上が47億円から100億円へ向かおうとも、
僕たちの原点は目の前にいる一人の利用者様の笑顔であり、現場や本社で社会課題に挑み続けるスタッフ全員の誇りです。

 

「tttで働くこと自体が誇りだ」

全員がそう胸を張って言える未来に向かって、今日も僕たちは逃げずに挑み続けます。

 

既定のルールやマニュアル通りの「作業」をこなすだけの毎日を脱ぎ捨て、
誰かの人生と超高齢社会の未来を自らの手で切り拓く挑戦者として生きる。

 

現場のケアスタッフも、エリアを統括するマネージャーも、
本部で事業を推し進めるメンバーも、tttで働く仲間は全員が自分の人生の「ドラマ」を創り出す主人公です。

 

あなたの情熱を、この舞台で発揮してみませんか? ここから、一緒に誰も見たことがない最高のドラマを創りましょう。

 

業務に関するお問い合わせや採用情報など
お気軽にお問い合わせください。

CONTACT

お問い合わせ

RECRUIT

採用情報